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図7 筋電図バイオフィードバック。

A:背筋上部(背すじを伸ばす筋)に電極を貼付
B:筋電図バイオフィードバック計(筋活動をブザー音に変え本人に知らせる)

 

的に推測された。
大股速足歩行のエクササイズウォーキングは、前進力の得られる踵押し上げ時には、ジョギングで使われる股関節の伸展筋である太もも後面のハムストリングス(大腿二頭筋)は働かないが、膝の伸展筋である太もも前面の大腿四頭筋(内側広筋、大腿直筋等)が働き、階段上がり歩行と極めて類似した。
背すじを伸ばすこと等を意識したニューエクササイズウォーキングは、ジョギングと同様踵押し上げ時にハムストリングスが参画した。また、背すじを伸ばすことによって、躯幹筋の腹筋・背筋、ならびに大腿筋が働き、姿勢矯正にも大いに役立つことが明らかとなった。
以上のように、歩き方を少し意識するだけで、歩行が十分運動となることが筋活動の面から示唆された。

 

また、高齢者になるに従い、筋力やバランスが衰え、背中や膝が曲がった歩行になるが、この高齢者歩行は、我々の行なっている歩行に比べ、かなり脚筋に負担がかかり、重労働になっていることが推測された。筋負担が大きいとますます歩くことが苦となり、車いすや寝たきり状態になって

 

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図8 筋電図バイオフィードバックによる姿勢矯正。

悪い姿勢:背筋上部はあまり働かないので、筋電図バイオフィードバック計のブザー音はならない
良い姿勢:背筋上部が強く働き、筋電図バイオフィードバック計のブザー音がなるので、姿勢矯正が容易になされた

 

しまうことも考えられる。それゆえ、高齢者になっても背中や膝の曲がった筋負担の大きい歩行にならないように、今から少しだけ意識して、背すじを伸ばし元気よく歩いてみてはいかがだろうか。

 

本研究は、岡本香代子(関西医科大学整形外科専攻生)との共同研究である。
本研究の一部は、文部省科学研究補助金(No.07680151)によるものである。

 

 

 

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